お酒が飲めない人は多い？アルコール離れについて知っておきたいこと

お酒にまつわる話題において、昨今その存在感を
示しているのが、ずばり、アルコール離れー

下戸の人やお酒が飲めない人にとっては、今さら
と言ったキーワードですが、そもそもこのアルコール離れ
という言葉が、いつ頃から出始めたのか、気になるところですよね。

そこで、今回はこの、アルコール離れにフォーカスした
お酒が飲めない人の割合などについて、ご紹介していきます。

令和を迎えた、日本の現代社会において
看過できない1つの変化とも言える、アルコール離れについて
ぜひこの機会に、あなたも学んでみてはいかがでしょうか？

アルコール離れとは？

そもそもアルコール離れとは、書いて字の如く、お酒・アルコールから
物理的・精神的に離れている世代や層を指しています。

そんなアルコール離れには、主に「習慣が無い」
「アレルギーや病気の発症」、「ソーバーキュリアス」という
3つの傾向が見られると言えます。

元々お酒を飲む習慣が無い人

生まれ育った環境によって、その差が大きく異なる背景の1つに
家族・親・身内など、日頃から自分の周りの飲酒率が高くなかった
という人に、よく見受けられるのが、飲酒習慣そのものの低さです。

物心がつく時点で、家庭の冷蔵庫にアルコール類が無かった
という人であれば、そもそもお酒のある生活が非日常ということ。

アルコール離れの根本的な理由にもなりますが、そもそも
お酒を嗜むルーティンが、身の回りに無い場合は
物理的にも精神的にも、アルコールから離れていることになりますよね。

アレルギー・病気を発症した人

アルコールアレルギーの場合、否応無しにお酒が飲めませんが
他のアレルギーを含む、病気が発症・併発した場合も
禁酒または断酒する人が、昨今特に増加傾向であると言えます。

2000年代当初から、若者の全体的な飲酒習慣そのものは
低下の一途を辿っていますが、さらに、2〜30代を中心に
肝機能の低下を含む、生活習慣病への意識が著しく高まっています。

これらは、何も若者世代に限らず、4〜50代のいわゆる団塊世代でも
似たような結果があるため、全世代的に
そうした健康志向の時代へシフトしていることが、よく分かります。

ソーバーキュリアスと呼ばれる人

前述した、健康志向の人に多いのが、ソーバーキュリアス
と呼ばれる、あえてお酒を飲まない層になります。

ソーバーキュリアスは、直訳で「素面の好奇心」、ノンアルコールや
ノンアルのカクテルなど、アルコール以外のドリンクを楽しもうとする
お酒を選ばない飲み方であると言えます。

ソーバーキュリアスは、健康維持の目的の他、アルコール依存症や
うつ病などを含む、精神的負荷を減らす意味でも
世界的に広く受け入れられている概念であるとも言えます。

ソーバーキュリアスの中でも、一切の断酒を行う人がいれば
適度に嗜む人もいるので、実質的な組み分けは難しいところ。

ですがそれでも、2022年現在における調査では
若者の4人に1人が、このソーバーキュリアスとなっています。

お酒が飲めない人は多い？

では、そもそもなぜ日本には、お酒が飲めない人や弱い人が
多いとされているのでしょうか？

その主な理由と背景は、ずばり、日本人の歴史とDNA
そして体質によるものであると言えます。

日本といえど、その国土の実態は非常に複雑であり
渡来人を含めると、海外文化も多く流入してきました。

あらゆる研究によって導き出された結論としては、ずばり
日本人の飲酒に関するDNAには、3のパターンが存在するということ。

まず、沖縄や九州の西日本南西部は、歴史的名所も多く現存する
琉球文化・縄文文化が根付くエリアであり、これらの時代を生きた人々は
アルコール分解の酵素が比較的強いとされています。

また、オトーリをはじめ、現代の文化として
地酒に関する慣習が現存していることや、県民性などからも
アルコールに耐性がある人が多くなっています。

次に、青森県から新潟県を中心とした、東日本東北エリアも
モンゴロイド(いわゆる縄文人)系の遺伝子が根強く、酒豪や上戸といった
お酒に強いDNAを持った人々が多数いらっしゃいます。

そして3つ目のパターンが、中国地方から
北関東・北陸にかけての、本州中部エリアです。

その歴史を紐解くと、渡来人(モンゴロイドのDNAを持たない種族)が
比較的多く流入しており、とりわけ東南アジア〜朝鮮エリアの人々は
アルコール分解の酵素をほとんど持っておらず
いわゆる下戸の比率が高い傾向があったとされています。

こうした背景から、時代と共に、移住・国際結婚といった
様々な現代社会の体質変化の要因が重なっていることが分かりますよね。

地方に行くほど、アルコール耐性が高いDNAを持つ人の割合が増え
東西南北、それぞれに都心部・人口密集地へ近づくほど
アルコール耐性の低いDNAを受け継ぐ人が増えるということー

日本は、地酒が栄える基礎が充実している反面、渡来人・移民の多くは
当時から、国土の中心部に住み着いたために、日本全体の体質変化
即ち下戸・お酒が飲めない遺伝子が広がったと言えるのではないでしょうか？

アルコール離れという時代を迎えて

ご紹介してきた、アルコール離れと下戸・お酒が飲めない人について
少しでも、今後の参考にしていただけましたでしょうか？

お酒の席や飲みの場は、2020年のコロナ禍以降、大変革が要されましたが
日本の風土やお酒の文化を考える時、やはり日本酒・地酒といった
名産品の多くが、アルコールに関わるものであると言えますよね。

一見すると、禁酒・断酒にも近いニュアンスで捉えがちな
アルコール離れですが、実際はあくまでも、意思のない飲み会や
不要な量の飲酒を避ける、至って健全な概念であることが分かります。

銘酒と呼ばれる日本のお酒を、せっかくなら
より上品且つ適度に楽しむ意味で、ぜひあなたも、今一度
アルコール離れについて、その背景を意識してみましょう。